【お酒】58.男山 特別純米 カップ

男山株式会社 北海道旭川市永山二条七丁目1番33号 180ml詰 アルコール分15度 原材料名 米(国産) 米麹(国産米) 精米歩合60% (以上、ラベルより転記) “●●男山”と付く名前のお酒や蔵元は、日本全国にたくさんあります。 この男山の意味ですが、もともとは、江戸時代に伊丹(兵庫県伊丹市)の蔵元が、岩清水八幡宮がある男山(京都府八幡市)から名づけたものだったようです。 (ここには京阪電車の男山ケーブルがありますね。) これが全国に拡散した理由については諸説あるようです。 (申し訳ございませんが、信頼できる文献を探せなかったので、詳しくは書けません。) これは推測ですが、伊丹の男山はかなり有名なお酒だったようですので、お酒に“●●男山”と名付けることは、“●●正宗”と名付けることと同じくらい宣伝効果があったのではないでしょうか。 このお酒の蔵元である男山株式会社さんは、「男山は寛文年間、今から約三百年前に伊丹において醸造を始め、江戸時代から、古今第一の名酒として歴史上に残る有名な方々の愛飲を受け、昔の貴重な資料と共に、現代に伝わる伝統の名酒です。」として、、数ある男山の中でも本流であることをアピールなさっています(※1)。 その伝統を示すためでしょうか、このカップのラベルには、伊丹の酒であることを示す“丹醸”の印が印刷されています。 そんな伝統の名酒を、今日もぬる燗でいただきます。 純米酒ですが、ちょっとアルコールの香りがし…

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【お酒】57.榮川 エイセンカップ 特醸酒

榮川酒造株式会社 福島県耶麻郡磐梯町大字更科字中曽根平6841-11 原材料名:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール アルコール分15度 180ml詰 (以上、缶の印刷事項より転記) 会津若松市内のスーパーやコンビニ、駅売店では、このお酒をよく見かけます。 缶入りですので、光や空気による劣化防止という点では、ガラスのカップよりも優れているはずです。 しかし、普通の缶詰と同じように開ける方式なので、缶に直接口をつけていただくときは、唇を切らないように気をつける必要があります。 このお酒には“特醸酒”という名称がつけられています。 この特醸酒という名称は、本醸造や吟醸酒といった、お酒の法的な“特定名称”には含まれていません(※1)。 榮川酒造さんのWebsiteによれば、「醸造用副原料として「糖類・酸味料」を使用せず、醸造アルコールの添加量を減らして醸した清酒で、30年来使用している伝統の名称」なのだそうです(※2)。 要するに、糖類を添加していない普通酒のことですね。 その特醸酒を、今日もぬる燗でいただきます。 まず最初に、甘みを感じました。 決してべとつかない、自然な甘さです。 それとともに、酸味もけっこうあるようです。 しかし、うまみはそれほど感じません。 それに、普通酒にしてはめずらしく、アルコールの香りがあまりしません。 甘みがはっきりしているものの、酸味があることと、うまみを感じなかったことで、淡麗に仕上が…

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【お酒】56.大七カップ

大七酒造株式会社 福島県二本松市竹田1-66 原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール アルコール分15度 180ml詰 (以上、フタより転記) このお酒ですが、カップ酒であるにもかかわらず、箱に入れて売られていました。 この箱には、「光線から中のお酒を守るため」であると書いてありました。 「日本酒は日光、とくに紫外線に当たると変色したり異臭を発生しやすい」(※1)ようですので、これは理にかなったことであると思います。普通酒のカップ酒を一個ずつ箱に入れて丁寧に販売していらっしゃるのは、大七酒造さんぐらいではないでしょうか。 この箱には「麹米(総米の約20%)はすべて酒造好適米の五百万石を用いる贅沢さ。そして、(中略)アルコールも米を原料とする米アルコールのみを用いています。」と記載されています。 普通酒であるにもかかわらず、麹米に酒造好適米を使用することは、これは贅沢なこだわりだと思います。 しかし、醸造用アルコールはいわゆる焼酎甲類に相当するものであって、原料が米であれ廃糖蜜(さとうきびの搾りかす)であれ、連続蒸留でアルコール分99.9%まで精製しているはずですので、生産される製品に差異はないと思います。 私の知識レベルでは、米アルコールを用いることで品質にどのような違いが生じるのか、見当がつきません(もしこの米も全量が国産米使用ということでしたら、消費者に対する原料情報の公開という意味では、有意義なことだと思います)。 また、…

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【お酒】55.両関 本醸造 冷用 300ml

両関酒造株式会社 秋田県湯沢市前森4丁目3番18号 原材料名 米(国産) 米こうじ(国産米) 醸造アルコール 精米歩合70% 300ml詰 (以上、ラベルより転記) 秋田県の湯沢市は、東北の灘(※1)と言われるくらいの、東北でも有数の酒どころのようです。 東北の酒質向上を目的として、秋田県の篤志家たちの協力の下に大正11年に設立された“秋田銘醸株式会社(美酒爛漫)”。 湯沢で最も古い元和元年(1615)創業で、近年ではIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2012のSAKE部門でチャンピオン・サケを獲得した“株式会社木村酒造(福小町)”。 そして、明治7年創業で、戦前の全国清酒品評会では受賞の常連蔵だった両関酒造株式会社(両関) などがあります。 今日のお酒は、その両関のお酒です。 このお酒ですが、戦前から売られていたようです。 当時は「銀線」という名だったようです。 「冷用」とありますが、生酒や生貯蔵酒との表記はありません。 冷やして飲めということのようですので、冷蔵庫で冷やしていただきます。 生貯蔵酒のような、フレッシュな香りがほのかにします。 弱い酸味があります。 うまみと甘みは、かすかに感じる程度です。 スイスイいけてしまう、軽快なお酒です。 おそらくそれを狙って造っていらっしゃるのでしょう。 私としては、もう少しうまみがあったほうがより一層おいしいのではないかと思いました。 ここで実験ですが…

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【お酒】54.菊水の辛口 本醸造 300ml

菊水酒造株式会社 新潟県新発田市島潟750 アルコール分15度 原材料名 米(国産) 米こうじ(国産米) 醸造アルコール 精米歩合70% 300ml詰 (以上、ラベルより転記) “ふなぐち菊水一番しぼり”で有名な蔵元のおさけです。 いただかなければいけないカップ酒の在庫があるにもかかわらず、このお酒を衝動買いしてしまいました。 このお酒は、スーパーやコンビニでよく見かけますが、今までいただいたことがありませんでした。 よく見かけるので、特に気にしなかったのだと思います。 このお酒のとなりには、“菊水の四段仕込”というお酒が置いてありました。 たしか四段仕込は、甘口のお酒を造る方法であったはずです。 私は、甘みの強いお酒は苦手ですので、辛口と銘打ってあるこのお酒を購入することにしました。 このお酒は冷やして販売されていましたので、まずは冷蔵庫で冷やしていただきます。 やわらかい酸味を感じます。 しかし、アルコールの香りも刺激もありません。 うまみと甘みは、かなり薄めです。 辛口というよりは、薄口、いや、むしろ淡口といったほうが適切でしょうか。 例えれば、普通のお酒をおいしい水で割ったような感じです。 どうやったら、こういう造りになるのでしょうか。 夏の暑い日にいただくと、きっとゴクゴクといっちゃいそうな感じです。 ここで、ぬる燗にしてしました。 うまみと甘みが少しはっきりしてきたようです。 しかし、それと同時に酸…

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【お酒】53.越後杜氏 辛口 本醸造

金鵄盃酒造株式会社 新潟県五泉市村松甲1836 アルコール分15.0度以上16.0度未満 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール 精米歩合65% 180ml詰 (以上、フタより転記) この蔵元がある新潟県五泉市は、越後平野の東側に位置しています。 そういえば、「越後平野と富山平野とは、水田単作地帯で、早稲(わせ)の品種の栽培が盛んである。」ということを、どうでしょうゼミナールの大泉校長の講義で学んだことがありました。 その、えつご平野、あ、いや越後平野の蔵元のお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 アルコールの香りは控えめです。 酸味が少し利いていますので、それが辛みを生じさせています。 しかし、刺激はありません。 うまみははっきりしています。 酒臭い味ではなく、醸し出されたうまみのように感じました。 甘みは控えめです。 うまみははっきりしていますが、甘みが控えめのせいか、軽快に仕上がっています。 それに、適度な酸味が少し辛みを生じさせています。 淡麗やや辛旨口のお酒でした。 なお、かつてこの蔵元の生酒をいただいております。

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【お酒】52.聖泉(セイセン) 純米 カップ

和蔵酒造株式会社 千葉県富津市竹岡1番地 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合62% アルコール分15度以上16度未満 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 房総半島南部の、浦賀水道(東京湾の南にある、房総半島と三浦半島とに挟まれた海峡)に面した地域を、内房(うちぼう)といいます。 このお酒の蔵元は、内房の、それも海に近い場所にあります。 房総半島の南部には、標高こそ300~400m台と低いのですが、鹿野山、愛宕山、清澄山、鋸山などの山々があって、“上総丘陵・安房丘陵”を形成しています。 この丘陵が半島南部の面積の多くを占めており、平地は海岸付近と河川の流域とにあるくらいです。 そんな地形のせいか、丘陵で降った雨が地面に浸透して地下水となり、それが低い平地で湧き出しているところがけっこうあります。 そして、その湧き水を利用してお酒を造っていらっしゃる蔵元さんが、少なからずあるのです。 この蔵元さんも、仕込み水に使う井戸が敷地内にあるようで、「ここの深井戸の水(泉)は、鋸山地層の水が流下したもので、味と量に恵まれている」とのこと。 そして、今日いただいたお酒も「酒の名前は、この井戸“聖泉"からという。」のだそうです(※1)。 それでは、このお水で造られたお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 その前に、このお酒、いい色をしています。 色を見るだけでもおいしそうです。 まず、ほんのりとした甘みを感じました。 決してべた…

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【お酒】51.御代櫻 純米カップ

御代桜醸造株式会社 岐阜県美濃加茂市太田本町3-2-9 内容量・180ml 原材料名 米・米こうじ 精米歩合70% アルコール分15度以上16度未満 容量:180ml (以上、フタより転記) 昨晩いただいたパンダカップは普通酒でしたが、今日は純米酒です。 比較するとわかるのですが、普通酒のカップが2色刷り(黒・白)であるのに対して、純米酒のカップは3色刷り(黒・白・緑)です。 純米酒は普通酒よりも醸造にコストがかかるはずなのに、さらに印刷コストもかけるのですね。 しかし、定価で63円の差ですから、消費者がいちいち目くじらを立てるようなことではないのかもしれません。 パンダの表情はどうでしょうか。 普通酒のときは定かではないですが、純米酒のデザインは「デザイナーに上野動物園でわざわざパンダをスケッチしていただいて完成した」そうです(※1)。 たしかに、なんとなく本物に近いような気もします。 そんなこだわりのカップに入ったお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 普通酒よりも、アルコールの香りはやわらかいです。 その分、うまみがはっきりしています。 酸味は普通酒と同じくらい立っていて、辛味を生じさせています。 甘みは、普通酒よりも少ないように感じました。 普通酒よりもうまみははっきりしていますが、甘みが少なくて酸味が立っていることから、より辛口に仕上がっているようでした。 (※1)御代桜醸造㈱Website

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【お酒】50.御代櫻 カップ

御代桜醸造株式会社 岐阜県美濃加茂市太田本町3-2-9 内容量・180ml 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール アルコール分15度 (以上、フタより転記) 有名な"パンダカップ”です。 昭和47年に上野動物園にパンダが来たことを記念して発売したカップ酒だそうです(※1)。 ということは、このパンダは、リンリン・ランラン(←音が出ます)でしょうか (ちがうちがう、ランラン・カンカンだろ!)。 写真ではわかりにくいかもしれませんが、なんとなく、絵のタッチが昭和っぽいような気がします。 確か6~7年前に、ちょっとしたカップ酒ブームがありました。 カップ酒だけを売る居酒屋が現れたり、雑誌でカップ酒特集が組まれたりしました。 その際、このパンダカップや、秋鹿のバンビカップは、その絵がかわいいこともあってよく話題にあがりました。 その後、カップ酒ブームは終焉を向かえましたが、このパンダカップは今でもデパ地下などで見ることができます。 そんな時代遅れな、長く愛され続けているこのお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 アルコールの香りがかなり強めです。 口に含むと、ファーっと広がって、鼻へスーッっと抜けていきます。 酸味はしっかりしています。刺激はありませんが、辛さを生じさせています。 うまみと甘みもほんのり感じますが、アルコールの香りと酸味とに負けています。 しかし、燗が冷めてくると、すこしはっきりしてきました。 …

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【お酒】49.天の戸 純米酒 カップ

浅舞酒造株式会社 秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388 180ml詰 原材料名/米・米麹 秋田県産酒造好適米100%使用 精米歩合/65% アルコール分/15度以上16度未満 秋田県の南部、あきたこまちの産地として名高い横手盆地にある蔵元のお酒です。 浅舞酒造さんでは、蔵元から半径5km内の田んぼでとれた酒米だけを使用して仕込んでいるそうです。 そのため、田んぼで米を育てる水と、酒を醸す仕込み水とが同じ水系の水になることから、酒造りは「米を育った水にかえす」ことを意味しているようです(※1)。 しかも、浅舞酒造さんでは、毎年春に実施される「全国新酒鑑評会」(以下、鑑評会と略す。)へ出品するお酒も、地元のお米で作るとのこと。 鑑評会への出品酒は、”YK35”(Y=山田錦(兵庫県産)を使用し、K=熊本酵母=きょうかい9号酵母を用いて、かつ35=35%まで精米すること。)でなければ金賞を取れないというのが定説でした(※2)。 浅舞酒造さんはこの定説を覆し、地元で生産された美山錦や吟の精、秋田酒こまちなどの酒米を使用し、酵母も秋田県産のものを使用して、これまでに金賞を11回取得しているようです。 しかし、鑑評会に挑み始めた当初は、地元産の米だけを使うという信念を持って山田錦を使わなかったわけではなく、「ただ高価で使えなかった」のだそうです(※3)。 そんな秋田県産酒造好適米100%のお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 予想はしていましたが、…

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