【お酒】109.菊姫 にごり酒

菊姫合資会社 石川県白山市鶴来新町タ8番地 原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール 兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦100%使用 アルコール分/14度以上15度未満 300ml詰 (以上、ラベルより転記) 菊姫さんのお酒は、かつて菊姫カップをいただいております。 今日は、にごり酒をいただきます。 このお酒ですが、ラベルに「山廃仕込 普通酒」と書いてあります。 菊姫さんは、本醸造という特定名称を使わないことを公言されていますので、もしかしたらこのお酒は、実際には本醸造の規格に適合しているのかもしれません。 山廃については、今日は言及を省略させていただきます。 また、ラベルの反対側には、「兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦100%使用」と書いてあります。 普通酒なのに山田錦、しかも兵庫県産のものを全量使用するとは、かなりのこだわりだと思います。 また、この記載から、兵庫県三木市吉川(よかわ)町が特A地区に指定されていることがわかります。 では、この“特A地区”というのは、いったいどういう地区なのでしょうか。 はたして、誰が、何のために指定したのでしょうか。 ラベルに書いてアピールする価値のあることなのでしょうか。 この“特A地区”の意味については、最後にまとめておきましたので、ご覧いただければと思います。 ここでは、結論だけ紹介いたします。 私が調べた限りでは、この“特A地区”と…

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【お酒】108.越乃景虎 龍 カップ

諸橋酒造株式会社 新潟県長岡市北荷頃408 アルコール分 15度以上16度未満 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 越乃景虎は、今では新潟淡麗を代表するくらい有名なお酒になりました。 それにしても、新潟にはたくさんの蔵元があるのに、一部の蔵元のお酒だけが有名になっているようです。 果たして、それらの蔵元は、どうして有名になれたのでしょうか。 雑誌に取り上げられたり、テレビで紹介されたりしたからでしょうか。 それとも、その蔵元のお酒が本当においしいからでしょうか。 たとえおいしいと評判になっているお酒でも、その味が自分の好みに合っていなければ、おいしいとは思えません。 ですから、どんなに有名なお酒でも、また、有名人がおいしいと評価しているお酒でも、まずは自分でその味を確かめてみなければ、自分にとっておいしいと思えるお酒かどうかわかりません。 やはり、一升瓶を買う前に、まずはカップ酒をいただいてそのお酒の味を確認してみることも、お気に入りのお酒を探すための方法の一つとしてあってよいのではないでしょうか。 そういった意味を込めて、このカップ酒を、今日もぬる燗でいただきます。 普通酒にありがちなアルコールの香りはほとんどしません。 うまみはとても淡いです。 酒臭さはありません。 吟醸酒のうまみを薄くしたようなうまみです。 少し酸味があるようです。 ちょっとピリッとしま…

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【お酒】107.天神囃子 特別本醸造 カップ

魚沼酒造株式会社 新潟県十日町市中条丙1276 原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール アルコール分/15度 精米歩合/掛米60% 麹米・配掛米55% 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 天神囃子は、かつて普通酒のカップ酒をいただいております。 普通酒は濃醇でおいしいお酒でしたが、この特別本醸造はどうでしょうか。 このお酒ですが、存在することは知っていたのですが、なかなか入手できませんでした。 十日町の地酒なので、十日町の市街地にあるスーパーや酒屋さんを回ってみたのですが、それでも見つかりませんでした。 ところが、先日、十日町へ行った帰りに、越後湯沢駅の近くの国道沿いにあったスーパーを物色したところ、偶然にこれを見つけました。 いただく前に、特別本醸造の意味について触れておきます。 まず、本醸造については、以前、八海山の飲み比べをした際に触れていますので、そちらをご覧ください。 そして、特別本醸造とは、本醸造のうち、「香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合が60%以下の場合に限る。)」を指します(※1)。」 すなわち、原料や製造方法をもって香味や色が特に良好であることを説明表示できる本醸造(たとえば、酒造好適米100%使用の表示があるものや、生酛造りの表示があるものなど)であった…

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【お酒】106.福寿 神戸カップ

株式会社神戸酒心館 神戸市東灘区御影塚町一丁目8番17号 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール アルコール分 15度以上16度未満 容量180ml (以上、カップの印刷事項から転記) 灘五郷の一つ、御影郷にある蔵元のお酒です。 ここの蔵元さんでは、お酒を凍らせた“凍結酒”なるものを販売しています。 かつていただいたことがあったのですが、シャーベット状で冷たいので口当たりもよいのかと思っていたら、かなり飲み応えのある、あ、いや食べ応えのある、ガツンと来る味でした。 このカップ酒は、デザインがしゃれています。 その中に、震災に関連したメッセージが書かれています。 私には震災のことを語る資格はありませんが、こういうメッセージを読むと、神戸のみなさんが並々ならぬ苦労を乗り越えて今日の神戸を作り上げてこられたことに対する敬服の気持ちがこみ上げてきます。 そんな神戸のカップ酒を、今日もぬる燗でいただきます。 アルコールの香りとともに、酸味とうまみ、そして甘みを感じます。 酸味はちょっと目立ちますが、刺激のないやわらかい酸味です。 お酒の味を引き締めています。 うまみもやわらかくて、スッキリしています。 酒臭くはなくて、辛口の吟醸酒のようなうまみです。 甘みはほんのり感じます。 べとつかない、さらっとした淡い甘みです。 酸味とうまみ、甘みのバランスがよい、淡麗やや辛口のお酒でした。 この…

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【お酒】105.金陵 本醸造 ハンディグラス180ml

西野金陵株式会社T 香川県仲多度郡琴平町623番地 アルコール分/15度以上16度未満 原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール 精米歩合/70% 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 私は、今回はじめて香川県のお酒をいただきます。 同じ四国でも、高知県のお酒はけっこう辛口であるとの印象がありますが、香川県のお酒はどうでしょうか。 今日もぬる燗でいただきます。 アルコールの香りとともに、酸味を感じます。 強めの酸味で、ピリッとした刺激を感じます。 うまみは濃くはありませんが、しっかりしています。 醸し出された酒臭い(←褒め言葉です)うまみです。 強い酸味に抑えられているようですが、しっかりしているので、ドライな感じはしません。 甘みは控えめです。 これは酸味に抑えられてしまっています。 酸味が強い、やや淡麗で辛口のお酒でした。 揚げ物や中華、それにお肉には合うと思います。

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【お酒】104.銀嶺月山 ガッサンカップ

月山酒造株式会社 山形県寒河江市大字谷沢769-1 原材料名:米・米こうじ・醸造アルコール (原料米はすべて国産) アルコール分15度以上16度未満 180ml詰 (以上、フタとカップの印刷事項とから転記) がっさーん 立て!ジョー 遊びでねぇんだ 今日もぬる燗でいただきます。 アルコールの香りとともに、うまみを感じます。 濃くはありませんが、しっかりしたうまみです。 醸し出された、酒臭い(←褒め言葉です。)うまみです。 酸味はあるが、弱めです。 刺激やピリピリ感はありません。 スッキリした、さわやかな酸味です。 甘みは目立ちはしませんが、裏のほうから酒のうまみを支えているような感じがします。 しっかりしたうまみと、スッキリした酸味とで仕上げられた、やや淡麗やや辛口のおいしいお酒でした。 この値段でこの味は、お得だと思います。

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【お酒】102.103.越の寒中梅 吟醸生貯蔵酒&純米 TGカップ180飲み比べ

新潟銘醸株式会社 新潟県小千谷市東栄一丁目8番39号 今日は、新潟銘醸さんのTGカップなるものを飲み比べてみます。 TGカップのTGって、どういう意味なのでしょうか。 カップの形状が特殊であることはわかるのですが、これをなぜTGカップと称するのかはわかりません。 越の寒中梅 吟醸生貯蔵酒 新潟県産米100%使用 原材料名 米・米こうじ.・醸造アルコール 精米歩合58% アルコール分14度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしていただきます。 最初に甘さを感じます。 かなり甘いですね。 ちょっとべとつくかな。 あくまでも私の感想ですが。 吟醸香は感じませんでしたが、生貯蔵酒らしいフレッシュな風味がします。 うまみは吟醸酒らしいやわらかいうまみです。 お米本来のうまみでしょうか。 酒臭さはありませんが、すこし苦味があるようです。 酸味はほとんど感じません。 生貯蔵酒らしいフレッシュな風味の甘口のお酒でした。 酸味が苦手な方や、酒臭いうまみが苦手な方にはちょうどよいと思います。 越の寒中梅 純米 新潟県産米100%使用 原材料名 米・米こうじ 精米歩合58% アルコール分15度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) このお酒も、冷蔵庫で冷やしてからいただきます。 これも甘みを感じますね。 生貯蔵酒ほどではありません…

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【お酒】101.菊正宗 超特撰 嘉宝蔵 生酛吟醸

菊正宗酒造株式会社 神戸市東灘区御影本町一丁目7番15号 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)。醸造アルコール アルコール分15%以上16%未満 精米歩合60% (以上、ラベルより転記) 灘五郷のひとつ、御影郷にある、日本を代表する大手蔵のひとつである菊正宗さんのお酒です。 このお酒は吟醸酒なので、冷蔵庫で冷やしていただきます。 吟醸香はかすかにする程度です。 食事とあわせるには、このくらいがちょうどよいのです。 うまみは薄めですが、しっかりしています。 米のうまみを凝縮したかのような、雑味のない上品なうまみです。 酸味は、ちょっと苦味がありますが、刺激やピリピリ感はありません。 キリッとした、すがすがしい酸味です。 甘みはほとんど感じません。 しかし、うまみがしっかりしているせいでしょうか、辛くは感じません。 上品なうまみと、きりっとした酸味の、淡麗辛口のお酒でした。 菊正宗さんのお酒を辛口と評することがあります。 しかし、辛口という言葉の意味は、甘くないということであって、菊正宗さんのお酒が辛いという意味ではないと思います。 むしろ、私は、菊正宗さんのお酒は、うまみがしっかりしていて、雑味がないのが特徴だと思います。 この味は、酸味の出すぎを抑えるように丁寧に造らなければ出ないのではないでしょうか。 いずれにせよ、私は菊正宗さんのこの味が大好きです。 やっぱり俺は、菊正宗。

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【お酒】99.100.まんさくの花&真人(まなびと) 飲み比べ

日の丸醸造株式会社J 秋田県横手市増田町増田字七日町114番地の2 今日は、同じ蔵元さんの、速醸酛造りのお酒と、生酛造りのお酒とを飲み比べてみたいと思います。 なお、速醸酛と生酛とのちがいに関する一般的なことについては、最後にまとめておきましたので、ご覧いただければと思います。 速醸酛の乳酸は添加した乳酸であるのに対して、生酛の乳酸は乳酸菌が作り出した天然の乳酸です。 そのためか、 「「速醸酒母」の酒はすっきりした軽さがある。これに対して「生酛」「山廃酒母」で醸した酒はしっかりとした酸を含み、味全体に奥行きの深さが感じられる。」(※1) と評する文献もあります。 また、生酛造りを売りにする大手酒造メーカーが出版した文献には、 「生酛で造る酵母は、速醸のひ弱な酵母と異なり、乳酸菌との生存競争の中で育つためはるかに強い。弱い酵母はアルコール度数が17~20%になると死に、雑味が多くなるが、強い酵母はアルコール度数が20%近くになっても死滅せず、発酵が進みキレのある喉越しの良い「辛口酒」ができる。」 「生酛仕込みの酒を分析すると、エキス中に占める等分の比率が低く、タンパク質がアミノ酸に分解する前のペプチド態成分の比率が高い。ペプチドは、香味に深い味わいを感じさせ、生酛造り特有の「押し味」を演出する。」(※2) とあります。 一方で、速醸酛については、 「速醸酛でもしっかりと造れば味のしっかりした、いい酒ができる(※3) 速醸酛のほうが「ヘタな生もと…

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【お酒】98.福正宗 純米 黒ラベル フクカップ

株式会社福光屋 石川県金沢市石引二丁目8-3 原材料名/米・米麹 国産米100%使用 精米歩合/70% アルコール分/14度 200ml詰 (以上、ラベルより転記) 福光屋さんのお酒は、かつて、「加賀鳶」の純米酒と純米吟醸酒とをいただいております。 加賀鳶は、とても味わい深くておいしいお酒でした。 このお酒「福正宗」は、純米酒なのに200円ちょっとのお値段で、しかも200ml入りとお得です。 値段と量とからして、加賀鳶の下位シリーズであると推察します。 はたして、このお酒も加賀鳶のように味わい深いのでしょうか。 今日もぬる燗でいただきます。 一口いただくと、うまみと酸味とを感じます。 うまみはしっかりしていますが、加賀鳶と比べるとすこし薄いようです。 しかし、醸し出された酒臭い(←褒め言葉です)うまみがします。 私の好きな味です。 酸味は弱めです。 刺激やピリピリ感はなく、スッキリしたさわやかな酸味です。 うまみを引き立てるとともに、お酒の味を軽快にしているようです。 甘みはわずかに感じる程度で、うまみの引き立て役のようです。 しっかりしたうまみと、スッキリした酸味の、やや濃醇やや辛口のおいしいお酒でした。 加賀鳶とくらべると少し味の薄さを感じますが、むしろ飲み飽きない味になっていると思います。 この値段と量とでこの味ならば、満足できるでしょう。

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