【お酒】267.丹沢山 本醸造 カップ

合資会社川西屋酒造店 神奈川県山北町山北250 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール 精米歩合 70% 180ml詰 (以上、ラベルより転記) (アルコール度数の記載なし) 川西屋酒造店さんのお酒は、“隆(りゅう)”のシリーズが有名ですね。 「有名ですね」なんてエラそうに書いておりますが、あたしゃ実は、dancyuの酒特集で紹介されているのをよく見るだけで、実際にいただいてみたことはないんです。 (オマエのような貧乏人には手が出ない酒だよ。) 20世紀に出版された古いものですが、今日いただく“丹沢山”シリーズを紹介しているある文献では、蔵元さんの言葉として「ここでは華やかな香りが鼻に残るようなインパクトの強い酒は造らない」「“酒食同源”とでも言おうか、酒も食事も共に楽しんでもらう「食中酒」であるためには、香りは抑え気味にし、何よりも「飲みあきしない」酒を醸すことが大切」と紹介しています(※1)。 “酒食同源”、大賛成です!。 ならば蔵元さんのその心意気を、今日のお酒で見せていただきましょう。 今日もぬる燗でいただきます。 うまみはどちらかというと淡めですが、しっかりしています。 醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみですが、淡いせいか酒臭さはひかえめに感じます。 それに、わずかに香ばしい風味を感じますが、これは麹由来のものでしょうか。 雑味や苦味はありません。 酸味は弱めですが、はっきりと感じます。 スッ…

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【お酒】266.オダキュー 天下の険 上撰 カップ

大関株式会社 兵庫県西宮市今津出在家町4-9 原材料:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール アルコール分15度以上16度未満 180ml詰 (以上、ラベルより転記) このお酒は、小田急電鉄新松田駅の売店で購入しました。 ラベルこそ箱根を意味する「天下の険」ですが、中身には、ワンカップ大関の上撰と同じお酒を詰めてあるようです。 もしかして、新宿からロマンスカーに乗って箱根へ旅立つ乗客に、ロマンスシートに座って飲んでもらうために製造しているものを、小田急各駅の売店でも販売しているのでしょうか。 ワンカップ大関は、日本、いや世界で最初に販売されたカップ酒です。 もしもワンカップ大関が発明されなかったら、カップ酒は存在しなかったかもしれませんし、このブログすら書くことができなかったと思います。 それ故、いつか紹介しなければならないと思っていましたが、はからずも出くわしてしまいました。 そんなワンカップ大関と同じお酒を詰めてあるこのお酒を、今日もぬる燗でいただきます。 うまみはやや淡めですが、しっかりしています。 意外にも、酒臭さはひかえめで、クセのない味わいのようです。 わずかに苦味を感じます。 酸味は、少しすっぱさを感じる程度です。 刺激やピリピリ感はありません。 甘みはしっかりしています。 しかし、クドさは感じません。 クセのないうまみと、ひかえめの酸味、そしてしっかりした甘みとが特徴の、やや…

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【お酒】265.るみ子の酒 純米酒 るみかっぷ

合名会社森喜酒造場 三重県伊賀市千歳41-2 アルコール分15.0度以上16.0度未満 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合60% 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 今日、平塚の酒屋さんで買ったばかりのお酒です。 このお酒ですが、6月製造の新鮮なお酒だと思って買ったら、実は去年の6月製造でした。 でも、酒屋さんでは、このお酒は冷蔵庫で保管されていました。 しかも、劣化防止のためか、冷蔵庫に蛍光灯を入れていなかったのです。 そもそもるみ子の酒は、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」そうですので(※1)、おまけでもう一年余計に寝かせたものと前向きに考えたいと思います。 森喜酒造場さんは、かつて探偵!ナイトスクープで活性生原酒が紹介されて話題になりました。 しかし、決してバラエティー番組に出るようないい加減な造り酒屋さんではないようです。 森喜酒造場さんは、神亀酒造のオーナーの指導を受け、「奇をてらうのではなく、原則を守る。押さえるべきところは、きちっと押さえる。」という考え方の下で(※2)、純米酒のみを醸造しているようです。 先ほど、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」と紹介しましたが、これもきっと神亀さんの影響によるものでしょう。 このお酒のラベルは、『夏子の酒』の原作者である尾瀬あきらさんが書いたそうです。 森喜酒造場さんの跡取りであった森喜るみ子さんが蔵を引き継いだときに、『夏子…

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【お酒】264.出羽ノ雪 カップ

株式会社渡會本店 山形県鶴岡市大山二丁目2番8号 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類 アルコール分15度以上16度未満 180ml詰 このお酒は、糖類添加の三増酒です。 しかし、副原料として添加されているのは糖類だけで、酸味料は添加されていません。 糖類添加の三増酒には、下記のように糖類とともに酸味料もあわせて添加してあるものが多いと思います。 糖類を添加すれば、その分だけ、米の使用量を減らすことができます。 しかし、そうするとお酒の味が薄くなってしまいます。 酸味料は、薄くなったお酒の味を補うために添加してあるのだと思います。 ということは、糖類だけが添加されていて酸味料が添加されていないこのお酒は、もしかしてかなり薄い味に仕上がっているのではないでしょうか。 飲む前に理屈をこねて味を予想しても、当たったためしがありません。 せめておいしいお酒であることを願いつつ、今日もぬる燗でいただきます。 うまみはやや淡めですが、しっかりしています。 酒臭さや雑味はほとんど感じられず、むしろやわらかいうまみです。 糖類を添加すれば、糖化に必要な麹の使用量を減らすことができます。 そのため、麹由来のタンパク質が減少し、酒臭さや雑味が出にくくなるのかもしれません。 酸味は弱めですが、かなりはっきりしています。 スッキリしていて、ちょっとだけすっぱさを感じます。 刺激やピリピリ感はありません。 甘…

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【お酒】263.初孫 本醸造 本撰ニューカップ

東北銘醸株式会社 山形県酒田市十里塚字村東山125番地の3 アルコール分:16度 原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール 精米歩合70% 180ml詰 (以上、カップの印刷事項より転記) 今日もまた、初孫シリーズのお酒をいただきます。 今日いただくのは、本醸造のカップ酒です。 カップ酒と言っても、このお酒はアルミカップです。 これまでにいただいた普通酒のマイカップや、生酛純米酒カップはガラスのカップでしたが、このお酒だけはアルミカップなんですね。 (大)吟醸酒ならば、光による風味の劣化を防ぐためにアルミカップを採用するのは頷けます(同じ山形のお酒では、出羽桜がそうですね)。 しかし、このお酒は本醸造です。 決して本醸造を軽視するつもりはありませんが、遮光の必要があるのは本醸造だけに限ったことではないのです。 これは完全に私の推測ですが、もしかしてこのカップ酒は、初孫さんで一番最初に発売されたカップ酒ではないでしょうか。 そのときにアルミカップとして発売したものの、その後に登場したマイカップや生酛純米酒カップは大人の事情によってガラスカップで発売し、その状態が今日まで続いているのではないでしょうか。 もし実情をご存知の方がいらっしゃったら、教えてやってください。 そんなアルミカップ入りの本醸造酒を、今日もぬる燗でいただきます。 このままいただくと唇を切りそうで怖いので、ぐい呑みに移し変えていただきます。 …

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【お酒】262.初孫 生酛純米酒カップ

東北銘醸株式会社 山形県酒田市十里塚字村東山125番地の3 原材料名 米・米麹 国産米100%使用 アルコール分16度 精米歩合60% 180ml (以上、ラベルより転記) 昨日の初孫マイカップに続けて、今日も東北銘醸さんの初孫シリーズをいただきます。 今日いただくのは生酛造りの純米酒です。 生酛造りの意味については、こちらの末尾にまとめてありますので、ご覧ください。 純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 一口いただくと、うまみと酸味とがグッと迫ってきます。 うまみは濃くて豊かです。 醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみですが、酒臭さはそれほど強くはありません。 それでも、けっこう力強いうまみだと思います。 酸味もかなりしっかりしています。 特に、すっぱさが豊かです。 もしかして、このすっぱさは、生酛で生成された乳酸に由来するものでしょうか。 刺激やピリピリ感は感じないので、丁寧に造ってあるのだと思います。 甘みはひかえめです。 しかし、ドライな感じはしません。 これはうまみが豊かだからでしょうか、それとも甘みは存在するもののうまみと酸味との背後に隠れているからでしょうか。 うまみと酸味とがしっかりしている、濃醇辛口のおいしいお酒でした。 いままでにいただいた初孫シリーズはどれもおいしいお酒でしたが、これが一番おいしいように思いました。 決して飲みやすくはありませんが、飲み応えのあるお酒…

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【お酒】261.初孫 マイカップ

東北銘醸株式会社 山形県酒田市十里塚字村東山125番地の3 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール アルコール分15度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 東北銘醸さんのお酒は、かつて初孫の一徹生酛純米酒、普通酒の酒王初孫、そして辛口純米酒の魔斬とをいただいております。 今日いただくのは普通酒のカップ酒ですが、ラベルの記載からして、これってきっと酒王初孫と中身は同じなのではないかと思います。 果たして同じなのでしょうか、それともちがうのでしょうか。 というよりも、それを私の舌が利きわけることができるのでしょうか。 (ただの酒好きのオマエにはムリだな!) 今日もぬる燗でいただきます。 酸味がしっかりしています。 少しすっぱさがあって、深みのある酸味です。 ちょっとだけピリッと感じます。 うまみはしっかりしています。 少し濃くて、ちょっとだけ酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。 甘みはひかえめです。 それでもコクを感じます。 しっかりした深みのある酸味と、少し濃いめのうまみとの、やや濃醇で辛口のおいしいお酒でした。 酒王初孫とは、中身はたぶん同じだと思います。 それでも、酒王初孫と比べて、うまみが少し濃いめで、それにちょっとピリッとするようにも思いました。 個体差があるのでしょうか。 (ズバリ気のせいでしょう!!) 2024/05/15 また飲んでみました。

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【お酒】260.澤正宗 純米カップ

古澤酒造株式会社 山形県寒河江市丸内三丁目5の7 アルコール分15度 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合 麹米60% 掛米65% 200ml (以上、ラベルより転記) 澤正宗さんのお酒は、山形駅の駅ビル内にある蔵元さん直営の酒場で普通酒をいただきました。 普通酒なのに、うまみがしっかりしていて、かつまろやかなおいしいお酒でした。 その普通酒のカップ酒を探していたのですが、見つかリませんでした。 そのかわり、この純米酒のカップを見つけました。 純米酒もおいしいお酒であることを期待しつつ、今日もぬる燗でいただきます。 予想どおり、うまみが濃くてしっかりしてます。 醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。 角がなくて、しかもあと味はスッキリしています。 それに、少し渋みというか、香ばしい風味がします。 酸味は弱めです。 少しだけすっぱい感じがします。 刺激やピリピリ感はありません。 甘みは弱めめです。 でも、これがお酒にコクを出しているようです。 濃厚なうまみを楽しむことができる、濃醇やや辛口のおいしいお酒でした。 普通酒ほどまろやかではありませんでしたが、飲み応えのあるおいしいお酒でした。 ☆★☆★☆★☆★☆★ 2017/08/31 また飲んでみました。 2020/08/15 三たび飲んでみました。

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【お酒】259.大山 本醸造生酒 300ml

加藤嘉八郎酒造株式会社 山形県鶴岡市大山三丁目1-38 原材料名 米(国産) 米麹(国産米) 醸造アルコール 精米歩合 65% アルコール分14.0度以上15.0度未満 300ml詰 (以上、ラベルより転記) 加藤嘉八郎酒造さんのお酒は、かつて金撰カップと特別純米酒のカップ酒とをいただいております。 今日いただくのは、本醸造の生酒です。 生酒、すなわち「製成後、一切加熱処理をしない清酒」ですので(※1)、「保存若しくは飲用上の注意事項」を必ず表示しなければなりません(※2)。 そのため、このお酒のラベルには「要冷蔵」の表示がなされています。 生酒ですので、冷蔵庫で冷やしてからいただきます。 生酒のフレッシュな香りがします。 しかしそれほど強くはありません。 このくらいがちょうどよいと思います。 最初に酸味を感じます。 ですが、かなり弱めです。 少しすっぱさがある程度で、刺激やピリピリ感はありません。 うまみはかなり淡めです。 酒臭さはまったくなくて、ほんのりとお米の味がする程度です。 少し苦味を感じます。 生酒ですが、甘みはひかえめです。 生酒はいわゆる“甘ダレ”といって、甘みが増えてしまうことがあるようですが、このお酒にはそれは感じられませんん。 おそらく、丁寧に濾過し、かつ流通過程の管理を蔵元さんが徹底なさっているのだと思います。 さすが古くからの銘醸地の蔵元さんです。 スッキリした風…

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【お酒】257.258.志太泉 にゃんかっぷ&にゃんかっぷラスタ(梅酒)

株式会社志太泉酒造 静岡県藤枝市宮原423番地22の1 志太泉(しだいずみ)酒造さんについて、ある文献では「現在でこそ藤枝市の各蔵の実力はかなり上がって、全国的に有名になったが、藤枝市の吟醸酒として初めて全国に名乗りを上げたのは、この蔵であった。1984年から1986年の全国清酒鑑評会(ママ)で三年連続金賞を受賞し、一躍注目されるようになった。その後も、(中略)安定した力を見せている。」と紹介しています(※1)。 今日は、そんな地域の吟醸造りを牽引してきた蔵元さんのお酒をいただきます。 このお酒の名前は「にゃんかっぷ」です。 蔵元さんのWebsiteでは名前の由来を長々と詳しく紹介しています。 要するに「ワンカップ大関があるんだから、にゃんかっぷだってあってもいいだろ!」ってことのようです。 名前がどうであれ、お酒の味はそれだけで決まるわけではありません。 おいしいお酒が詰められていることを期待して、早速いただいてみたいと思います。 志太泉 にゃんかっぷ 純米吟醸 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合50% 使用米 八反100% アルコール分16度 180ml詰 (以上、フタより転記) このお酒には、原料米として「八反100%」と表示されています。 この八反という米は、おそらく“八反錦”の系統米の一種を指しているのだと思います。 八反錦は、主に広島で使用されている酒造好適米です。 ある文献では、この…

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