置賜地方での酒集め

山形県南部のことを、“置賜(おきたま、おいたま)地方”と言うそうです。 今回は、その置賜地方で酒集めをしてみました。 切符は、JR東日本の“週末パス”を使いましたよ。 経費節減のため、今回は、行きは普通電車で向かうことにしました。 まずは、上野駅から。 私が住んでいるところからは、この上野駅5:46発の普通宇都宮行が、利用可能な一番早い電車になります。 宇都宮駅で、普通黒磯行に乗り換えます。 そして黒磯駅で、こんどは普通郡山行に乗り換えます。 ここで、トラブル発生。 新白河駅で信号故障が発生し、一つ手前の白坂駅でストップしてしまいました。 結局、46分遅れで白坂駅を出発しました。 新白河駅が近づくと、その手前でまたストップしてしまいました。 でも、これはすぐ回復しました。 この普通電車は、新幹線からの乗り継ぎ待ちをするためか、もともと新白河駅で14分間停車するダイヤでした。 今回はそれをしなかったため、結果として約30分遅れで郡山駅に到着しました。 電車が遅れたおかげで、郡山駅では485系の快速あいづに会うことができましたよ。 また、電車が遅れたことを奇貨として、お酒を一つゲットいたしましたよ。 郡山駅で乗り継ぐ予定の普通電車(福島行)は、この時点ですでに出発してしまっていました。 ですが、福島まで新幹線を利用することで、遅れを回復できることがわかった…

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【お酒】570.鳳陽 本醸造 カップ

合資会社内ヶ崎酒造店 宮城県黒川郡富谷町富谷字町27 アルコール分15度 精米歩合 60% 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール 180ml (以上、ラベルより転記) 昨日いただいた鳳陽カップ(普通酒、糖類・酸味料添加)に引き続き、今日も内ヶ崎酒造店さんのお酒をいただきます。 今日いただくこのお酒は、本醸造のカップ酒です。 本醸造という特定名称を名乗る以上、糖類や酸味料などの副原料を使うことはできません(※1)。 それ故、このお酒のラベルには、糖類や酸味料が使用されている旨の表示はありません。 糖類・酸味料添加の普通酒と、それらを添加しない本醸造とでは、はたして味にどのようなちがいがあるのでしょうか。 今日はそれを考慮しながらいただきたいと思います。 本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。 色は普通酒よりも淡い感じです。 うまみは普通酒よりも淡めでした。 ですが、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。 苦みや雑味はありません。 酸味ははっきりしています。 さわやかで、ちょっとだけピリッと感じます。 甘みはそこそこ感じます。 糖添普通酒とあまり変わらないような…。 淡めのうまみに、酸味と甘みとが効いている、淡麗ちょいピリやや甘口のお酒でした。 酸味と甘みとはよく合っていると思います。 私としては、もう少しうまみがほしいところでした。 まあ…

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【お酒】569.鳳陽 カップ 普通酒

合資会社内ヶ崎酒造店 宮城県黒川郡富谷町富谷字町27 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料 アルコール分15度 180ml (以上、ラベルより転記) 内ヶ崎酒造店さんのWebsiteのホームページには、寛文元年(1661年)創業で、宮城県最古の蔵元である旨が記載されています。 寛文元年といえば江戸時代初期ですが、東北地方の酒造先進地域であった山形県の大山でさえまだ酒造業がそれほど発展していなかった時期ですよ。 これは推測ですが、そんなに古くから酒造りをなさっていらっしゃるわけですから、おそらく宮城県では内ヶ崎酒造店さんのお酒が広く普及しているのではないでしょうか? そんな老舗のお酒ですが、まことに残念ながら、糖類も酸味料も添加された三増酒でした。 まあでも、宮城随一の老舗がお造りになったこの三増酒がどれほどのものか、実際にいただいて確認させていただきたいと思います。 普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、まあこんなもんですわ。 うまみは濃くはないですが、まあしっかりしています。 酒臭さとはちがう、添加された味であることはわかります。 でも、クドさはそれほどでもないとおもいます。 苦みや雑味は感じませんでした。 酸味は少しはっきりしています。 スーッとさわやかな酸味です。 甘みはやっぱりはっきりしています。 残存糖類の影響でしょうか、少しとろみ…

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【お酒】568.澤乃泉 上撰カップ 伊豆沼白鳥

石越醸造株式会社 宮城県登米市石越町北郷字中沢108-1 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類 アルコール分15.0度以上16.0度未満 180ml詰 (以上、フタより転記) 宮城県にある、ラムサール条約の登録湿地“伊豆沼”をその名にいただくお酒です。 このお酒ですが、普通酒ではあるものの、上撰(≒旧制度下における一級酒)を名乗っています。 しかし、誠に残念ながら、糖類添加の三増酒でした。 三増酒でありながらも上撰を名乗るとは、それだけ酒質に自信がおありなのでしょうか? さぞやおいしい三増酒であろうと予想しつつ、普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、少し着いている程度でしょうか。 うまみは淡めです。 それでも、糖添ではあるものの、醸し出された酒臭さ(←ほめ言葉です)を感じます。 ですがこのお酒、苦みがかなりはっきりしています。 酸味は少しはっきりしています。 すっぱさを感じる酸味です。 甘みはやっぱり少しはっきりしています。 でも、糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りは感じませんでした。 苦みがはっきりしたお酒でした。 磯の香りが豊かな食べ物には、こういう味のお酒が合うのでしょうか? 私は…。

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【お酒】567.愛宕の松 本醸造 カップ

株式会社新澤酒造店K 宮城県大崎市三本木字北町63番地 アルコール分 15度 精米歩合 70% 原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール 正180ml詰 (以上、フタより転記) お酒通の皆様にとっては、このお酒の蔵元さんである新澤酒造店さんを“伯楽星”の蔵元さんと紹介したほうがわかりやすいかもしれません。 おそらく、“伯楽星”は、高級酒に使われる銘柄なのでしょう。 そして今日いただくこの“愛宕の松”という銘柄は、地元の方々に普段の晩酌で飲んでもらうための廉価なお酒なのではないでしょうか。 こういうお酒がおいしいかどうかで、その蔵元さんの実力がわかると思います。 ところで、ある雑誌では、新澤酒造店さんのことを以下のように紹介していました。 「明治6年から続いていた蔵は東日本大震災で全壊となってしまったが、現在は創業の地である大崎市から約75km離れた、地盤が硬くて水質のよい川崎町へと移転し、酒造りを再開している。」(※1) 一方、このお酒のフタを見ると、新澤酒造店さんの名称の最後に“K”の文字が付けられていることがわかります。 上記の記事を踏まえると、この“K”の文字はきっと、このお酒が移転先の川崎町にある蔵で造られたことを指しているのでしょうね。 震災から4年経ったと言っても、明治から続いた酒造りの勘を新天地で取り戻すことはなかなか難しいと思います。 2013年に発行された別の雑誌では、新天地で開始された新…

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【お酒】566.特別本醸造 別格 ホヤぼーやカップ

株式会社角星 宮城県気仙沼市太田一丁目224-1-2 原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール 精米歩合60% アルコール分15.5度 180ml詰 (以上、フタより転記) 気仙沼市の観光キャラクター“ホヤぼーや”をラベルにいただくお酒です。 なんでもこのホヤぼーや、ホヤをモチーフにしていて、ベルトはホタテ、剣はさんまなのだとか。 ホヤって、どちらかというと好き嫌いが分かれる食べ物ですよね。 ということは、このキャラも万人受けするのかというと、うーん…。 ていうかさ、こういうキャラを作らなくても、気仙沼ちゃんとかホタテマンとか、あるいは武田久美子とかじゃダメなのかな? (気仙沼ちゃんはともかく、あとの二つはダメだろ!) いかんいかん。 せっかく気仙沼の人たちが精一杯考えて作り出したゆるキャラなのですから、あたたかく見守ってあげなければなりません。 そのホヤボーやをラベルにいただくお酒ですから、さぞやおいしいお酒が詰められていることでしょう。 というわけで、特別本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、それほどはっきりしてはいませんね。 うまみはそれほど濃くは感じませんでした。 しかし、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。 それに、苦みもすこしはっきりしているようです。 酸味はけっこうはっきりしています。 ちょっとピリッと感じる…

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【お酒】565.あさ開 本醸造 昭和旭蔵 300ml

株式会社あさ開 岩手県盛岡市大慈寺町10番34号 精米歩合65% 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール アルコール分 15度以上16度未満 300ml詰 (以上、ラベルより転記) あさ開(アサビラキ)さんのお酒は、かつてアルミカップの上撰普通酒と、本醸造の生貯蔵酒生缶(2回目はこちら)、普通酒のサケカップ(紙カップ)、そして純米辛口 男の純米DRYをいただいております。 今日いただくこのお酒は、本醸造です。 “あさ開”という名前の由来につきましては、かつて普通酒のサケカップ(紙カップ)をいただいた際に紹介しましたので、ご確認ください。 そんなあさ開さんの本醸造を、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、それほどはっきりしてはいないみたいです。 ああ。 それほどはっきりしたものではありませんが、この香りは、普通酒をいただいたときにも感じました。 これは酵母の効果なのでしょうか? うまみはやや濃いめで、しっかりしています。 醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、お米のうまみも感じます。 少しですが、苦みも感じました。 酸味はけっこうはっきりしています。 すっぱさが豊かな酸味です。 それに、酸味に深みがありますね。 刺激やピリピリ感はありません。 甘みはひかえめですが、ひかえめながらもはっきりしています。 これがお酒にコクを添えているようです。 しっかり…

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【お酒】564.丸眞正宗 吟醸辛口 300ml

小山酒造株式会社 東京都北区岩淵町26-10 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール 精米歩合 60% アルコール分 15度 300ml詰 (以上、ラベルより転記) 東京23区内唯一の蔵元さんである小山酒造さんのお酒は、かつて普通酒のマルカップをいただいております。 今日いただくこのお酒は、辛口と銘打たれた吟醸酒です。 かつても触れましたが、“丸眞正宗”という名前は、「“まるまる本物”という意をこめて命名」された(※1)のだとか。 でしたらその本物の味、堪能させていただこうではありませんか。 吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。 このお酒ですが、色はほとんどわかりませんね。 吟醸香は、ほんのりと感じます。 プンプンしていなくて、ちょうどよい感じです。 うまみは淡めですが、しっかりしています。 お米のうまみが舌を鋭く突いてくるような感じです。 それに、吟醸酒らしい苦みがかなり豊かです。 酸味はひかえめですが、ひかえめなりにその存在を感じます。 さわやかさを感じる酸味です。 刺激やピリピリ感はありません。 辛口と銘打たれただけあって、甘みはひかえめです。 でも、その存在はわかります。 淡いもののシャープなうまみに、苦みが効いている、淡麗やや辛口のおいしいお酒でした。 苦みがお酒の味を引き締めています。 そしてその苦みを、ひかえめな甘みが緩めているよ…

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【お酒】563.陸前男山 カップ

株式会社男山本店 宮城県気仙沼市入沢174 アルコール分 15.0度 原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料 正180ml詰 (以上、カップの印刷事項より転記) 男山本店さんのお酒は、かつて陸前乃 大吟醸 陸前男山 豊香淡麗辛口 南部流伝統仕込みという長い名前の大吟醸をいただいております。 きょういただくこの“陸前男山”は短い名前ですが、残念ながら糖類・酸味料添加の三増酒でした。 もうどうでもいいかもしれませんが、三増酒についてはかつてこちらでまとめております。 普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 色はほとんどわかりませんね。 あー、やっぱり。 うまみは淡めです。 酒臭さはほとんどしません。 というか、少しクドさを感じます。 また、苦みもすこしあるようです。 酸味は少しはっきりしています。 さわやかさを少し感じる程度です。 甘みはやっぱりはっきりしています。 糖添らしい、とろみのような舌ざわりの甘みです。 これはきっと、アルコール発酵しきれなかった残存糖類のせいでしょうな。 三増酒らしい味わいの、淡麗甘口のお酒でした。 私にはちょっと…。

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【お酒】562.菊盛 純米樽酒 180ml

木内酒造合資会社 茨城県那珂市鴻巣1257 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合 65% アルコール分 15度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 木内酒造さんの酒銘“菊盛”について、文献では以下のように紹介していました。 「1823(文政6)年に庄屋だった木内儀兵衛が創業。」 「儀兵衛は桜田門外の変首謀者の1人である斎藤監物や、天狗党の武田耕雲斎ら水戸学を支えた志士たちと親交が深く、彼らを支援するため皇室の象徴である菊が栄えることを願い、銘柄を「菊盛」とした。」(※1) このお酒は“樽酒”です。 樽酒の意味については、かつてこちらでまとめておりますので、ご覧ください。 というわけで、ネタも尽きたことですので、そろそろいただきたいと思います。 純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 このお酒ですが、色がかなりはっきりしています。 樽酒だけあって、木香(杉の香り)が豊かです。 口に含むと、鼻へ抜けていきます。 うまみはやや濃いめで、しっかりしています。 酒臭さはひかえめで、むしろやわらかいうまみです。 苦みや雑味は感じませんでした。 酸味はややはっきりしています。 さわやかさを少し感じます。 刺激やピリピリ感はありません。 甘みはひかえめです。 でも、ドライな感じはしませんね。 木香が豊かで、やわらかいうまみとさわやかな酸味とがよく合う、やや濃醇でやや辛口…

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