【お酒】1280.談山(たんざん)300ml

西内酒造 西内康雄 奈良県桜井市下三番地 アルコール分 15度 米(国産)・米麹(国産米)、醸造アルコール 300ml詰 (以上、ラベルより転記) 奈良県桜井市多武峰(とうのみね)。 そこには藤原鎌足祭神とし、かつてこの地で大化の改新のための談合がなされたという談山神社があります。 その談山神社の参道に蔵を構えて御神酒を造っているのが、西内酒造さんです。 蔵の近くには、談山神社の一の鳥居があります。 しかし神社は、ここから数キロはなれたところにあるのです。 その西内酒造さんが造ったお酒の味わいについて、手元の文献には以下のような記述がありました。 「 蔵元を訪ねた折、挨拶もそこそこに談山正宗の大吟醸と純米酒を一口試飲させて頂いた。不思議と、最初にこれは「御神酒」の味だなと思った。実際に談山神社の御神酒を醸造しておられるという事実を知ったのは後のことである。ところが、実のところ私は過去に神社で御神酒を飲んだことなど記憶にない。では何故すぐさま御神酒の味だと直感したのだろうか。それは、作り手が「神に奉げる酒」ということを強く意識しているからではないかと私は想像する。あらゆる自然に感謝して、ストイックにまた直向に酒を醸すことこそが酒造りの基本であり、その精神こそが今忘れ去られようとしているものではないかとさえ感じた。」(※1) 私が今日いただくこのお酒は普通酒ですが、果たして御神酒の味だと直感することはできるのでし…

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【お酒】1279.来福 純米吟醸 カップ

来福酒造株式会社 茨城県筑西市村田1626 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米) 精米歩合50% アルコール分15度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 来福酒造さんのお酒は、かつて来福の純米酒純米カップと、来福の純米吟醸 好適米愛山使用300mlとをいただいております。 今日いただくこのお酒は、純米吟醸のカップ酒です。 あたしゃかつて、来福酒造さんの酒蔵までお酒を買いに行ったことがありました。 でもその際には、このカップ酒にお目にかかることはできなかったのでした。 ところが先日、銀座一丁目にある茨城県のアンテナショップ“茨城マルシェ”を物色してみたところ、なんとこのカップ酒が山積みされていたじゃありませんか! これはあくまでも私の予想ですが、もしかしたらこのカップ酒は地元で飲んでもらうためのものではなくて、来福酒造さんが自社のお酒を広く試飲してもらうためにアンテナショップや百貨店での販促活動の際に頒布することを目的として世に送り出したものなのかもしれませんね。 もしそうだとしたら、それはそれはさぞや美味しいお酒が詰められていることでしょう。 だって、おいしくなかったら、販促の意味がありませんからね。 きっと美味しいお酒であろうことを期待しつつ、そろそろいただいてみたいと思います。 純米吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。 お酒の色は、濃くはないもののきれいな金色をしておりました。 …

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【お酒】1278.福鶴 カップ

福田酒造株式会社 長崎県平戸市志々伎町145 原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール、糖類 アルコール分 15度 180ml詰 (以上、ラベルより転記) 長崎県は平戸のお酒ですが、入手したのは浅草にある“まるごとにっぽん”でした。 なんでも、日本最西端の蔵元さんなのだとか。 ラベルには糖類の表示がありましたが、フタにはありませんでした。 それにしても、文字が読みにくいラベルだな。 フタには米の産地表示がないことから、ラベルのほうが制作が新しいものと判断し(米の産地表示が義務付けられたのが平成23年からですので)、このブログではラベルのほうに従って品質を表示しておきたいと思います。 普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。 うまみはやや濃いめです。 苦味と渋味とが少しはっきりしています。 それに、うまみに少しクドさを感じますが、添加されたような画一的な味わいではないですね。 それでもキレはよいみたいです。 酸味はひかえめです。 すっぱさはほとんどなく、アルコール由来と思われるさわやかさをちょっとだけ感じます。 でも、ちょいピリですわ。 甘みははっきりしています。 糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りを感じますが、べとついた感じはしませんね。 やや濃醇でちょい苦ちょい渋ちょいピリ甘口のお酒でした。…

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《焼酎》7.白芋焼酎 白茂作 200ml

花の香酒造株式会社 熊本県玉名郡和水町西吉地2226-2 [原材料] 芋・米麹(国産米使用) [アルコール分] 25度 [蒸留] 常圧蒸留 200ml (以上、ラベルより転記) 今日はね、なぜか不思議なことに、昼間からず~っと焼酎が飲みたくてしかたがなかったんですよ。 (アル中だな。) そこで、在庫の中からこの芋焼酎を選んでみましたよ。 花の香酒造さんは、どうやらもともとは清酒(いわゆる日本酒)の蔵元さんのようですね。 とある雑誌では「1414(応永21)年に、九条関白の息子、巌中和尚の家臣として、京都からこの地に下ってきたのが先祖の始まり。1902(明治35)年に妙見神社所有の神田を譲り受けたことにより創業。」(※1)と紹介されておりましたよ。 話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。 まずは、生(き)、すなわちストレートで。 やっぱり全然臭くないですね。 香りがはっきりしていますが、しつこさはありません。。 口当たりはドライですが、甘味をちょっとだけ感じます。 また、軽い苦味がかすかにあるみたいですが、まったく気にはなりません。 ピリピリ感はないみたいです。 次に、お湯割り(焼酎:お湯=6:4)で。 お湯割りのほうが口当たりがやわらかいですね。 それに香りが穏やかで、ふんわりと香るようになりましたよ。 軽い苦味とちょっとだけの甘味とはそのままです…

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【お酒】1277.七笑(ななわらい) 木曽のさけカップ

七笑酒造株式会社 長野県木曽郡木曽町福島5135 原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール アルコール分 15度 180ml詰 (以上、フタより転記) 木曽福島に蔵を置く七笑酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。 3.七笑カップ 444.七笑 紅梅 300ml 653.七笑 白梅 300ml 708.七笑 辛口純米 180ml 1131.七笑 カップ200(レインボーカップ) 今日いただくこのお酒は、ガラスのカップに詰められた普通酒です。 普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。 あれ? 意外にも、うまみはやや濃いめですよ。 米のうまみとともに、酒臭さを感じます。 それに、ちょっとだけクドさもあるみたいです。 また、軽い苦味がはっきりしていますね。 キレはよいみたいです。 酸味はややはっきりしています。 すっぱさは穏やかですが、ちょっとピリッと感じます。 甘みはややひかえめです。 ゼロではないものの、弱めです。 うまみがしっかりしていて苦味が効いた、やや濃醇でちょい苦ちょいぴりやや辛口のお酒でした。 軽い苦味が効いていて、しかもちょいピリですので、ちょっと飲みにくいかもしれません。 でも、それがかえってクドさを抑えてくれているようにも感じました。 それにしても、七笑の普通酒って、もっとさらっとし…

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【お酒】1276.阿蘇の酒れいざん 本醸造 カップ

山村酒造合名会社 熊本県阿蘇郡高森町高森1645 原材料 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール アルコール分 15度 精米歩合 70% 180ml詰 阿蘇山の麓、高森町。 南阿蘇鉄道の高森駅の近くに蔵を構える蔵元さんのお酒でした。 南阿蘇鉄道は去年発生した地震で被害を受けて、今でも一部が不通となっています。 しかもJR豊肥本線と接続できず、その線路は陸の孤島と化しておりますね。 観光利用を見込むには非常に不利な状態が続いておりますが、高千穂鉄道の二の舞だけはなんとか避けてもらって、全線復旧まで持ちこたえてもらいたいものです。 その高森町に蔵を置く山村酒造さん。 “れいざん”という酒銘は“霊山阿蘇”に由来するのだとか。 その山村酒造さんの由来について、手元にあった文献に以下の記述を見つけました。 「 豊後屋、山村酒造は創業宝暦一二年(一七六二)というから、もう二〇〇年以上もこの南郷谷で酒造りに携わってきたのである。現在の酒蔵は万延元年(一八六〇)に建てられたもので、それから数えてさえ一三八年も経つ。しかも、山村家そのものは、酒造りを始めるずっと以前に高森に根づいたのである。天正年間(一五七三~一五九二)、薩摩の島津氏と豊後の大友氏が高森城をめぐって激しく争った折り、豊後の国東半島の山村荘から武士団が大友氏の援軍として駆けつけた。そして土着したのだという。だから、以前はここには豊後から杜氏さんが来ていたそうである。」(※1) …

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《焼酎》6.黒霧島 200ml【追記あり】

霧島酒造株式会社 宮崎県都城市下川東四丁目28番1号 原材料/さつまいも、米こうじ(国産米) アルコール分/25% 内容量/200ml 南九州産さつまいも100%使用 (以上、ラベルより転記) 昨日の白霧島に引き続き、今日も霧島酒造さんの芋焼酎をいただきます。 今日いただくこの黒霧島もいも焼酎ですが、こちらには黒麹菌が使用されているのだとか。 一方、昨日いただいた白霧島で使用されていた麹菌は、白麹菌でした。 どうやらこの黒麹菌と白麹菌とは、もともとは同一種だったそうです。 当初は黒麹菌が普及したものの、その中から白色の変異株が見つかって、それを培養した白麹菌が戦後になってから広く使われるようになったのだとか(後掲(※6))。 黒麹菌が使われるようになる前は、焼酎の製麹でも清酒と同じ黄麹菌が使われていたそうです。 しかし、黄麹菌は酸を出さないことから、酵母の増殖には乳酸菌が出す乳酸の力を別途借りる必要があり(酵母は酸に強いものの、雑菌は酸に弱いことから、酸性下では酵母だけが育つのです。)、しかもその酵母の増殖は腐造防止のために低温下でなされる必要があることから、温暖な南九州の気候には合わなかったそうです。 一方、「黄麹菌はクエン酸をほとんど生産しない。黒麹菌と白麹菌はクエン酸を生産し、製麹後半に温度を35℃に下げることでクエン酸の生産を促進することは明らかであるが、その機構は未だ解明されていない。クエン酸の重…

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《焼酎》5.白霧島 200ml

霧島酒造株式会社 宮崎県都城市下川東四丁目28番1号 原材料/さつまいも、米こうじ(国産米)、芋こうじ アルコール分/25% 内容量/200ml 南九州産さつまいも100%使用 (以上、ラベルより転記) 先日いただいた“いいちこ”に引きつづき、今日も焼酎のうち“世間で広く飲まれている銘柄”を選んで飲んでみることにいたします。 今日選んだこの焼酎は、芋焼酎です。 広く飲まれている芋焼酎ということで、当初は鹿児島の“さつま白波”をいただこうかと思っておりました。 しかし、昨今では宮崎県都城市に蔵を置く霧島酒造さんのこの霧島シリーズが広く普及しつつあるとのことで、こちらを選らんでみましたよ。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ところで、かつての芋焼酎には、ニオイが強いものがありましたね。 私が子どもの頃に父親が飲んでいた芋焼酎のお湯割りのニオイは、それはとても強烈でしたよ。 「こんなクサイものを飲む奴の気が知れない」と、子ども心に思ったくらいでした。 ですが、昨今の芋焼酎には臭みがなくてマイルドなものがけっして少なくないのだとか。 なぜ、風味がこうも変わったのでしょうか? 理由はいくつか想定し得ると思いますが(醸造技術全体の改良や、ろ過による原因物質除去の精度向上など)、特に注目に値すると思われる記述を、とある文献中に見つけました。 「 焼酎の酒質に大きな変化が起きるのは昭和50年代に入ってからのこと…

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【お酒】1275.伊予賀儀屋 無濾過純米吟醸 カップ

成龍酒造株式会社 愛媛県西条市周布1301-1 アルコール分 十五度~十六度 原材料名 米・米麹 容量 180ml (以上、ラベルより転記) (精米歩合および米の産地表示なし) 成龍酒造さんのおさけは、かつて御代栄の上撰カップ(普通酒)と、御代栄の辛口十八番300ml(普通酒)とをいただいております。 今日いただくこのお酒は、無濾過の純米吟醸です。 純米吟醸ですが、表示すべきものとして定められている精米歩合の表示(※1)がないのみならず、米の産地表示(※2)すらありませんでしたよ。 これはいけませんね。 なお、濾過についてはかつてこちらで触れております。 純米吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。 無濾過のはずですが、お酒の色はそれほど濃くはありませんでした。 吟醸香はないですね。 うまみはやや濃いめです。 米のうまみに厚みを感じるとともに、熟成感をわずかに感じます。 苦味や雑味はまったくなく、しかも純米なのにキレがよいですね。 酸味はややはっきりしています。 すっぱさに鋭さを感じますが、弱めです。 刺激やピリピリ感はありません。 甘みはややひかえめです。 ゼロではなく、かなりさらっとした甘味をかすかに感じます。 うまみが厚いがキレのよい、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。 やや濃いめでしっかりしているものの、キレがよいので口当りがよく、後味がすっ…

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【お酒】1274.白鹿 カップ

石岡酒造株式会社 茨城県石岡市東大橋2972 アルコール分15度以上16度未満 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料 180ml詰 (以上、フタより転記) “白鹿”といっても、灘の辰馬本家酒造さんが造ったお酒ではありません。 茨城県は石岡市に蔵を置く蔵元さんのお酒でした。 この酒銘について、手元にあった文献では以下のように紹介されておりました。 「 江戸時代から続く蔵元4社が1972(昭和47)年に合併、石岡酒造が誕生した。 (中略)  代表ブランドの「白鹿」は、合併4社のうちの1社が江戸時代から使用している銘柄で、鹿島神宮の白鹿に由来している。」(※1) 鹿島神宮というだけあって、鹿が神様の使いなのでしょうか。 それに、鹿といったらなかんずく奈良の鹿でしょうが、その奈良の鹿は、どうやら元々はこの鹿島神宮に由来するみたいですね。 そんな鹿島神宮に由来するという由緒正しき酒銘をいただくこのお酒ですが、まことに残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。 普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。 お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。 うまみはやや濃いめです。 最初に渋みがやってきます。 うまみにクドさがありますが、酒臭さ(←ほめ言葉です)もちょっと感じます。 キレはよく、透明感すら感じます。 酸味はひかえめです。 ほとんど感じないくら…

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