この越後湯沢駅は、私にとっては、まさに夢の駅です。
駅に併設されている「ぽんしゅ館」では、お菓子やお漬物、珍味やアイスなど、さまざまなおみやげ物が売られていますが、そのほとんどが試食し放題なのです。
ケーキなんか、小さくカットされたものが大皿に山もりにされていて、その横には「どうぞ遠慮せずに試食してください。」と書いてあります。
なくなれば、係りの人が次々と補充してくれます。
お漬物は、数十種類がテーブルの上に並べられており、その横にはお茶のサービスまであるのです。
試食しながら売り場を一周すれば、空いた小腹も満たされてしまいます。
ぽんしゅ館の中にある「唎き酒処 越乃室」では、有料ではあるものの、100種類以上の新潟のお酒を試飲することができます。
ずらりと並ぶ、自動販売機ならぬ“利き酒マシン”が、新潟の酒がいかに種類豊かであるかを教えてくれます。
まず、カウンターで500円を支払うと、専用メダル5枚とお猪口に引き換えてくれます。
次に、試飲したいお酒を選び、その利き酒マシンの下にお猪口を置きます。
そして、利き酒マシンにコイン1枚を投入し、ボタンを押せば、お猪口の中に一杯分のお酒が注がれます。
利き酒マシンの隣には、天然塩や藻塩、抹茶塩など、数十種類の塩が置かれています。塩は無料でいただけます。
塩を専用スプーンで親指の付け根にちょっと乗せて、それをなめながらお酒をいただくことができるのです。
また、味噌も二、三種類置いてあり、さらにはカウンターで冷やしたきゅうりを売っているので、味噌をつけたきゅうりをかじりながらお酒をいただくこともできます。
これらは、この日私が試飲したお酒です。
いずれも美味しかったのですが、最後の一つを除いて、それぞれの味の違いについてははっきりとは覚えておりません。
そりゃそうです。たくさんの人が次々と利用するわけですから、いちいちお酒の味を確かめながらちびちび飲むなんて野暮なことはできません。
気に入ったお酒を選んで飲んで、それがうまけりゃそれでいいんです。
しかし、最後の一つ「ウイスキー樽で貯蔵した日本酒。FUKUGAO」の味だけは、ふつうのお酒とはちがうことから、はっきりと覚えています。
ウイスキーのような甘みと香りが豊かなお酒でした。
それでいて、お酒のうまみもちゃんとあるのです。
しっかりと熟成されたウイスキーをストレートでいただいているようでしたが、ウイスキーほどアルコールの刺激が強くはないので飲みやすいのです。
しかし、とても香りが強いことから、これを先に飲んでしまうと、このあとに飲むお酒の味がわからなくなってしまいそうなので、いつも最後にいただくことにしています。
こんな駅が自分の家の最寄り駅だったら、毎日、家に帰るのが遅くなってしまいそうです。
いや、それどころか、仕事に行くのが嫌になってしまうかもしれません。
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