株式会社湯川酒造店
長野県木曾郡木祖村薮原1003-1番地
原材料名 米(長野県産)・米こうじ(長野県産米)
アルコール分15度以上16度未満
精米歩合70%
麹の使用割合30%
300ml詰
湯川酒造店さんのお酒は、かつて普通酒の木曽路カップをいただいております。
今日は純米酒をいただきます。
このお酒は、使用するお米に占める麹米の割合が3割であることを売りにしているようです。
そして、「いやみのない酸味が持ち味の、さわやかな酔い心地とすっきりとした酔い覚めの飲み応えのあるお酒」に仕上げているとのことです。
私には酒造りの経験がありませんので、この”麹米3割”という比率が高いのかどうかはわかりません。
しかし、ある文献には、「清酒製造では、使用する白米の約80%を掛米として蒸米の形で仕込み、残りの20%を麹に使用し、麹菌の培養基質とする。」との記述がありました(※1)。
また、本醸造や純米酒、(大)吟醸酒といった特定名称を名乗るためには、「こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいう。以下同じ。)が、15%以上のものに限る」という条件を満たさなければなりません(※2)。
これらのことをふまえて推察すると、麹米の使用割合が3割であるということは、比率としては高いと言えると思います。
私は、このお酒はかなり甘口なのではないかと予想します。
日本のお酒は、お米のでんぷんを糖に変えるという化学変化と、糖をアルコールに変えるという化学変化とを経て出来上がります。
このうち、でんぷんを糖に変える変化を担うのが麹が出す糖化酵素で、糖をアルコールに変える変化を担うのが酵母という微生物です。
それ故、麹米の量が多ければ、普通のお酒よりも糖化作用が促進されて、より多くの糖が出来上がるのではないでしょうか。
一方で、酒母の量は同じであれば、酵母が糖をアルコールに変化させる効率は同じでしょうから、結果として酵母が分解しきれなかった糖が残存するのではないかと思います。
しかし、私は素人ですので、下手な考え休むに似たりです。
お酒の味は実際に味わってみなければわかりません。
前置きが長くなってしまいましたが、今日もぬる燗でいただきます。
能書きにあったように、確かに酸味が際立っています。
刺激やピリピリ感はありません。
さわやかで少しすっぱい酸味が、舌の上に広がるようです。
うまみはやや濃いめですが、スッキリしています。
酒臭さはなくて、むしろ米本来の味が出ているように思います。
私の予想とはちがって、甘みは弱めで目立ちません。
しかし、この甘みがお酒にコクを出しているようです。
さわやかな酸味を、スッキリしたうまみとひかえめの甘みとが際立たせている、スッキリやや濃醇で旨口のお酒でした。
私は甘口と予想しましたが、はずれてしまいました。
どうしてこういう味になるのでしょうか。
お酒の味は、実際にいただいてみないとわかりませんね。
(※1)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.178(2000.3 養賢堂)
(※2)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1(3)
この記事へのコメント
hanamura
酒母か、麹菌か、どっちだぁ?・・・う~ん永遠の謎かもしれません。
この日本酒の複雑さがぁ・・・。私は好き!(大好き!)なのです。
ちゅんちゅんちゅん
製法とか材料を商品名に入れると
イメージしやすいことはしやすいですね☆
skekhtehuacso
私としては、UPした後で読み返してみると、書き直したほうがよいと思う箇所がいくつか出てくるのですが…。
お酒のことは、実際に味わってみないとわからないことだらけですね。
skekhtehuacso
ラベルの表示からどんな味がするのか予想するのも、お酒の楽しみ方の一つだと思います。