権田酒造株式会社
埼玉県熊谷市三ケ尻1491
原材料/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
原料米/さけ武蔵(熊谷産好適米)
精米歩合/60%
使用割合/100%
アルコール分/15%
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)
おとといいただいた直実の上撰カップに引きつづき、今日も権田酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、熊谷産の“さけ武蔵”なる酒造好適米を100%使用した特別本醸造です。
この“さけ武蔵”なる酒米は、2004年に“むさしの酒6号”という系統名で育成されたという、埼玉県独自の酒米なのだそうです
なんでも埼玉県では、この“さけ武蔵”が育成されるまでは独自の酒米を持たなかったのだとか。
このことについて、文献では以下のように紹介されておりました。
「県内で栽培される酒造好適米は若水のみで、酒米の90%以上を他県に頼っていた埼玉県において、独自の品種作出をめざした。晩生、耐倒伏性はやや弱。若水より千粒重は大きいが心白の発現はやや少で小さくまん中にある。」(※1)
「 埼玉県内では平成元年頃から、酒米として若水を栽培し、純米酒等の高級酒を醸造してきた。しかし若水は他県で開発された品種で、割れ易い等の欠点もあり、県内酒造業界からは埼玉県で開発された新たな酒米を求める声が挙がっている。
平成13年度に行った総米60kgの小規模性種製造試験の結果、埼玉県農林総合研究センターで育成したむさしの酒6号が酒米として優秀であったので、本研究では実用化に向けて実地規模での清酒製造試験を行った。」(※2)結果、「作業性、酒質、酒化率のどれをとっても良好で、現在の「若水」に替わる埼玉県産酒米として「むさしの酒6号」が十分に実用的であることが確認された。」(※2)
では、その“むさしの6号”改め“さけ武蔵”で造られたお酒の味わいを確かめてみたいと思います。
特別本醸造には香りを特徴とするものもありましたので、まずは冷蔵庫でひやしたものをいただいてみたいと思います。
お酒の色は、上撰カップよりも薄めでした。
吟醸香のような香りはないですね。
でも、お酒の甘い香りをほんのりと感じます。
うまみは淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみがピンと舌を突くようです。
また、吟醸酒のような軽い苦みがかすかにあるみたいです。
キレはとてもよく、スッと引いていきます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
アルコール由来と思われるさわやかさも少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりかな。
けっしてべとつかなくて、かなりさらっとした甘みですが、その存在はよくわかります。
淡麗軽快旨やや甘口のおいしいお酒でした。
淡いなりに米のうまみがはっきりしていて、淡めではあるもののけっして薄さを感じませんでした。
そしてそのうまみをかすかな軽い苦みと酸味とが引き締めて、甘みがコクを添えているように感じました。
上撰カップほどしっかりした感じはしませんでしたが、これもこれでなかなかいけるのではないでしょうか?
ここで、あらかじめ取り分けておいたものを燗にしてみました。
ああ、これはどうかな。
香りやうまみ、それに甘みは引きますね。
一方で、苦みと酸味とが鋭さを増してはっきりしてきましたよ。
燗にすると、ちょい苦ちょいすっぱやや辛口のお酒になりました。
味わいに角が出るものの、これはかなりキリッと引き締まっていて、濃い味の料理や魚なんかと合いそうな気がします。
でも私としては、冷やしていただいた際に感じた味わいのほうが好みでした。
特別本醸造や特別純米酒は、飲み方に注意を要することを再確認させていただきましたとさ。
(※1)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.40(2017.7 文一総合出版)
(※2)横堀正敏・増田こずえ・渡辺泰成・星野馨・箕田豊尚『埼玉県の酒米新系統「むさしの酒6号」を使用した実地規模での清酒製造試験』(頁不明 埼玉県産業技術総合センター研究報告 第2巻 2004)
この記事へのコメント
caveruna
さけ武蔵は、知らなかった^^;
まだまだだなぁ(苦笑)
hatumi30331
今日は、寒いのか?暖かいのか・・・?
よく分からへん。^^;
でも、湯たんぽ入れて寝ます。
hatumi30331
からくさ=泥棒は昭和やと思うで〜〜(笑)
私も分るけど・・・へへ
タンタン
やなぼー
ありがとうございます<(_ _)>
そういえば、仕事でちょくちょく近くを通るのに行ってなかったか!?
今月、行ってみようかな!?
green_blue_sky
skekhtehuacso
まあでも、育成されてから14年程度と比較的あたらしい酒米のようですわ。
skekhtehuacso
skekhtehuacso
いつかそれらの酒米を使用したお酒に出会った際には、調べてみたいと思います。
skekhtehuacso
このカップ酒は熊谷駅のNewdaysで見つけました。
skekhtehuacso
“-報国”の文字にいささか軍国主義的なニオイを感じますが、私も酒を愛していて、これまでにさんざん酒税を間接的に負担して国に報いてやってきたんだぜ!という意味を込めて使わせていただきました。
エクスプロイダー
そう言えば、イオンが広島の「龍勢」と佐賀の「天吹」と組んで、さけ武蔵の酒を作ってましたね。
skekhtehuacso
知りませんでした。